中日事情あれこれ
日本人は残業好きですか?
留学中や仕事を通じて知り合った外国の友人、仕事関係者によく言われることがあります。それは、「日本人は残業が好きなのか?」ということです。彼らの目には、日本人スタッフが毎日遅くまで残って仕事をしている姿が、本当に不思議に映るそうです。「どうしてプライベートの時間を創り出そうとしないんだ?」これは西欧の友人たちが私に言った一言です。
確かに、私が海外で仕事をしていた時に毎日残業をしている、もしくは、土・日出勤している人の大半は日本人でした。一方現地のスタッフは時間になると退社します。仕事の量が少ないのかと言えばそんなこともないのです。彼らに急ぎの仕事をお願いすれば、残業して終わるまでやってくれます。しかし、その日のうちに終わらせる必要のないものは、次の日にやれば良いと定時にオフィスを後にします。この割り切りが日本人にはなかなかできないのかもしれないなと思いながら、彼らの後ろ姿を見送っていました。 もちろん、「残業好きか?」と聞かれれば、大多数の日本人が「嫌い」と答えるのではないでしょうか。特にここ最近は、皆さんもご存知のとおり、企業のリストラや成果主義の導入により、サービス残業が急増しています。ネットで検索したところ、掲示板にはそれに対する不満や意見等が書き連ねてありました。その一方で、残業をしている人の多くは、生計のため、終わらないような気がして不安だから、残業=勤勉、家に早く帰宅してもつまらない等の理由を挙げています。
中国に進出している日系企業の中には、中国人スタッフにも残業を強いて、その残業代を規定通りに払わない企業も目立ってきているとの新聞記事を目にしました。中国でビジネスを成功させる秘訣は、「日本式のやり方を一方的に押し付けないこと」と中国関連書籍に書かれていましたが、「そんなの当然だよ」と思うのですが現地で仕事をしているとついつい忘れがちになっているような気がします。気づくと「日本では、XXXは正しい」、「日本では、○○○は一般的だ」、「日本では・・・・」を言ってしまっているのです。
ここは、日本ではないということを常に認識し、現地スタッフとコミュニケーションを日ごろからとるように心がけたいものです。そうすれば、現地スタッフによる暴動やストライキが発生する率は低まるのではないでしょうか。
参考1 残業についてのある専門家の意見
(中国の知人が転送してくれました資料を翻訳・編集してあります。)
◆序文- 職場にどのくらい仕事があろうと、時間が来たら退社したほうが良い!
- 「そんなことができるのか?なおさら仕事は終わらないのではないか。」そう思ったのではないですか?あわてず専門家の意見を聞いてみましょう。
- 多くの職場にはこまごまとした業務(雑務)が沢山あります。明確な始まりと終わりがありません。考えや物事が雑然としているので、この仕事、あの仕事と中途半端に処理し、一つも終えることがないと、残業しなくてはと自分を追い詰める一方で、自分を慰めているのです。
- しかし、退勤時間が5時だったら、一日の限られた時間の中であなたはどの仕事からするべきだと思いますか?
- 同僚とのおしゃべりは控え、時間をかけて思考してみてください。長時間仕事に没頭すると自分で思考することもなく、無駄な作業をしてしまう。その上、物事の全体を見失ってしまうのである。
- 上司に過度な期待をさせない:上司に、あなたが毎日残業をしている姿を見せると、あなたは好きで残業しているんだと思わせてしまうことになり、長く続けていると残業すべきだということになってしまう。
- 上司に仕事をしている時間の長さであなたのパフォーマンスを評価させてはいけません。
- 時間内に仕事を終わらせることや、与えられた仕事の優先順位を身につけさせなさい。
- あなたが退勤時間になって、退社するときまでに部下は仕事を終わらせるもしくは進捗状況を報告すべきだということをはっきりと伝えなさい。
- あなたにとって最も重要なものは、家庭ですか、それとも仕事ですか?もちろん残業をしない、一生懸命働かなければ、多くの自己を表現する機会を失い、昇給や昇格もないかもしれない。
- しかし、馬車馬のように働いていると、45歳になった時に、突然家族、自分に申し訳ないような気持ちになる。
- 残業をすればするほど、仕事が終わらないような気持ちになってしまう。仕事が終わらなければ、仕事は先延ばしになってしまう。
- このような悪循環は遅かれ早かれ人をだめにする。
- 仕事以外の時間は休む、睡眠をとるだけでなく、次の日の労働意欲につながる。
- どうして趣味を持たないのか?
...もし5時に退勤すれば、外国語学校の学習、ギターの演奏、クラブ活動に参加できるのではないか。
...このような仕事以外の事は、行動力、能力、面白さを身につけさせるのではないか。
参考2 中国の勤務時間帯
中国では勤務時間8時間がほとんどで、勤務時間帯は下表のとおりである。(一部例外ある。)
区分 | 午前 | 午後 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
政府機関 | 中央政府 | 08:00~12:00 | 13:00~17:00 | お昼1時間 |
地方政府 | 08:30~12:00 | 13:30~18:00 | お昼1.5時間 | |
新疆 チベット |
10:00~14:00 | 16:00~20:00 | お昼2時間 時差2時間 |
|
会社・オフィス | パターン I | 08:30~12:00 | 13:00~17:30 | お昼1時間 |
パターン II | 09:00~12:00 | 13:00~18:00 | お昼1時間 | |
工場 | パターン I | 08:00~11:30 | 12:30~17:30 | お昼1時間 |
パターン II | 08:30~12:00 | 13:00~18:00 | お昼1時間 |
そのうち、特に政府機関の許認可手続審査機構は絶対残業しないので、気をつけなければならない。その勤務時間は09:00~11:30、14:00~16:00の場合が多いようであるが、その時間帯に合わせてスケジュールを組んだほうが良さそうである。
(2010年4月 株式会社ソフテック 眞水・楊) » メインページに戻る