中日事情あれこれ
中国における自動車のポスト市場を目指せ!
2010年中国の自動車販売台数は1800万台を突破しました!2年の間に倍増することは、自動車業界の誰もが予測つかなかったことでしょう。リーマンショック後中国自動車市場がこんなに栄えていることは、先進国の国々が望んでも実現できないものでしょう。
しかし、それに伴って、大都市では交通渋滞が日々深刻になりつつあります。その中で、北京市は率先して2011年1月に抽籤による個人自動車購入制限が導入されるになりました。2010年9月以降北京市政府部門はラッシュアワーを避けるべく、始業時間を今までの8時を9時に調整しましたが、調整効果はほとんど新規購入者に呑み込まれました。
また、自動車が増えた割には、駐車施設の増設は間に合いません。北京、上海、南京などの都市では、渋滞のもう1つの要因は駐車の列でしょう。この前、久しぶりに北京の北海公園の北側にある後海(荷花市場)の胡同を人力車に乗って散策しました。北京の誇りとされている数十の胡同を回ってきましたが、幅4~5メートルしかない胡同の傍らにずらりと自動車が並べてあります。その中には、タクシー、小型自動車、たまにはBMWが駐車されています。胡同で昔の愛新覚羅氏が統治した清朝の物語を思い出すと同時に、人力車のお兄さんの運転テクニックを賞讃しながら、車をみて隣の現代住民の職業を当てるのも1つの趣となりました。
日本では、オートバックスのような自動車ポスト市場を目指し、自動車部品・ケア部品等自動車サービスが系統的に提供されていますが、中国では、まだまだその面では立ち遅れているようです。自動車用品の量販店、販売店はまだ原始的な段階にあり、町中に修理工場(50~60平米)が散乱しているのが現状です。たまには日本製品がありますが、顧客の求めているような最新・先端技術製品はほとんどゼロに近い状態です。自動車本体販売は21世紀に入りましたが、カー用品の販売はまだ20世紀90年代後半のレベルにあるのは言えると思います。
ただし、中国の発展テンポは速いものです。恐らく3~5年の間にカー用品市場は急激に発展するでしょう。南京の郊外では既にひっそりと日本製品をメインとするカー用品・自動車修理アンテナショップが去年の9月にOPENしました。ある説では、今カー用品業界では、毎日20社も誕生するとのことです。
カー用品等のほかに、駐車場等の駐車サービス面の整備もされる必要がでてくるのではないかと思います。2005年に私が中国の地方政府に勤めた時に地元の駐車場について地元官僚と意見交換をしたことがありました。当時は官僚にとって立体駐車場はあまり考えたくない時代でした。投資額が高いし、メンテナンス費用がかかるし、どうせ中国国土が広いから敷地面積を広げれば済むとの考え方があったようです。しかし、今のような2年間で車の数が倍増するという中国人の購買力及び自動車台数の取扱能力をみると、立体駐車場はそのうちまず都市中心部で発展せざるを得ないでしょう。そういったノウハウや経験を中国で活用する場面はこれからどんどん出てくると思います。
また、自動車車体を活用する広告活動や自動車関連雑誌等ソフト面のマーケットも徐々に拡大されつつあるのではないかと思います。
自動車への美意識、デザイン能力を求める時代が来ています。皆様方も一緒に考えてあげてみてはいかがでしょうか。
(2012年1月 株式会社ソフテック 楊) » メインページに戻る