中日事情あれこれ
子供の世界は多種多様!
「幼稚園の先生の待遇は一番いい!」と、先日中国某大学の教授と会食した時に聞いた言葉でした。しかも、待遇の順番は幼稚園→小学校→中学校→高校→大学のようです。特に中国伝統の中秋節、旧正月になると、幼稚園先生の手元にいっぱいお土産品が届けられるそうです。それに比べると、数人の院生しか抱えていない大学の教授はいかにさびしいことでしょう。最近幼稚園の先生に応募している人数はどんどん増えつつあり、正に「花より団子」ということわざを熟知しているようです。
その背景には、中国人の親子関係の絆は日本人より表面化されているような気がします。特に、一般家庭では、定年後のおじいちゃん、おばあちゃんは孫の面倒をみるのがあたりまえの世界のようです。自分の年金、自分の余力を孫のためにつぎ込むのは幸せという気持ちなのでしょうか。私の中国会社の近くに中学校がありますが、毎日午後4時ぐらいに中学生の孫を迎えにくるおじいちゃんが多数います。「壮大なる」景色です。
今でも中国へ出張に行くたびに、友人から粉ミルクを買ってきてほしいとの依頼があります。数ヶ月前に中国税関の規制で一時停止させられましたが、最近また活発になってきました。中国国内の食の安全面のこともあるでしょうが、価格的にも品質的にも日本のものは既に受け入れられる状態にあるようです。どちらかというと日本の国内価格は中国の国内価格よりも低くなっています。例えば、某ミルクメーカのミルクですが、2缶で3600円(約280元)程度です。中国国内の高品質と謳っているミルクは1缶150元以上もします。先月中国に帰った時に2缶の日本製粉ミルクをぶら下げて百貨店を歩いていた自分はしばらくある中国人夫婦に尾行されたことがありました。「そろそろ年末だからといっても最近のすりは相当大胆になってきたな」と思い、振り返ってみたら「この粉ミルクは百貨店で買ったのでしょうか。場所を教えていただけないのでしょうか。」と真剣な顔をしている若い夫婦でした。
そのようなニーズを狙っているビジネスマンがいます。私の故郷の南京では既に子供用品のアンテナショップが開かれ、しかも一気に4店舗をOPENするとのことでした。今後は上場に向けてフランチャイズを狙っているようです。その品揃いや陳列等は日本の赤ちゃん本舗に似ています。一説では日系資本が入っているとのことです。
子供の世界は多種多様のように、子供ビジネスも多種多様のようです。玩具、衣服、絵本など、子供用品の某日系大手は江蘇省にあるコールセンターを活用し、インターネット販売と結びつけ、大規模に中国子供向けの教育を展開しているようです。しかもそのターゲットとしているのは若い夫婦だけではなく、おじいちゃん、おばあちゃんがむしろ顧客層の主流となっています。13億人の市場は実に魅力的です。また、現地の工場で生産するという優位を生かし、日本のデザインに沿った大量生産後の商品を日本国内に販売します。このような日系企業の努力のおかげで、付随して関連ビジネスを展開し安定的な収益を得た日系企業も多数あるようです。
このような流れの中で、自分達のビジネスモデルを考えてみてはいかがでしょうか。そこには勇気と信念が必要だと思います。
(2011年12月 株式会社ソフテック 楊) » メインページに戻る